遺産相続における寄与分の取扱い
遺産相続においては、各相続人が法定相続分に即して遺産を分割することで、平等が図られます。ところが、その平等が不公平になることがあります。それは、特定の相続人に「寄与分」のある時です。
●寄与分
寄与分というのは、被相続人の財産の維持や増加、または介護に特別な寄与(貢献)をしたことに対して、法定相続分とは別に得られる遺産のことです。ただし、寄与分を主張できるのは法定相続人に限られ、相続人にはなれない配偶者の兄弟などが要求することはできません。なお、2018年の法改正によって、被相続人の介護や看病に貢献した被相続人の親族には「特別寄与料」として金銭請求権が認められるようになりました。ただし、法定相続人ではないため、遺産分割協議に参加する権利はありません。
寄与を認めてもらうには、以下の条件を満たすことが必要です。
1.無償性
寄与行為は無償であることが基本です。例えば、被相続人から一般的な給与を得ていた場合には寄与にはなりません。ただし、著しく低い給与だった場合は、一般的な給与との差額が寄与分の算定基準になります。
2.継続性や専従性
寄与は長年にわたって継続的に被相続人に貢献していることが必要です。また、専従していることが求められ、一般的な勤労者が従事する労働時間分は寄与行為を行っていなければなりません。
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